2019/11/07

監視報告 No.16


監視報告 No.16  2019年11月7日

§ 北朝鮮の短距離ミサイル発射は、日、韓の軍事動向に見合った反応である。

『朝鮮中央通信』のミサイル発射報道

 朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は今年5月、短距離ミサイルであったが、約18か月ぶりに弾道ミサイルを発射した。それ以後、最近の1031日の発射を含め、断続的に11回にわたり少なくとも22発の短距離ミサイルの発射を繰り返した。文末にこれら11回の発射を日付順に表にした。(このほかに102日の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験があった。)

 発射された短距離ミサイルの技術情報についてはさまざまな分析が行われてきた。それらを総合すると、一連の発射には概ね4種類のミサイルが関係していると考えられる。①ロシアのイスカンデルに酷似した弾道ミサイル、②形状が米国のATACMS似ているミサイル、③大口径誘導多連装ロケット、④超大型多連装ロケットの4種類である。

 ここでは、冒頭に、一般的に指摘されていない側面からの技術的分析を述べる。

 「独裁国家の官製メディア」という位置づけから、多くの市民が過って印象付けられている理解に反して、ミサイル実験を報じる『朝鮮中央通信』(KCNA)の報道内容は正確であると評価できる。とりわけ技術情報は、ミサイル発射ごとの報道内容に整合性があり、詳細ではないが驚くほど律儀に一貫性をもって記述されている。したがって、注意深く記事を読むことによって私たちは理解を深めることができる。たとえば、発射が訓練なのか、示威(デモ)発射なのか、テスト発射なのかを区別して記述している。また、「新型ミサイル」と「新兵器」「新しく開発したミサイル」とは区別して用い、後2者に対しては「テスト発射」という言葉を使って発射を説明している。文末の表には、このような区別に留意しながら、各ミサイル発射についてのKCNAの報道を要約した。

まず、54日、59日、725日、86日に発射されたものはイスカンデル類似のミサイルであると理解されている[1]。それと矛盾するものではないが、この4回の発射に関連して本論は少なくとも2つのことについて指摘したい。第1に、5月の2回の発射とそれ以後の2回の発射は明白に異なる目的をもって発射された。前者は前線部隊の訓練であり、後者は韓国や米韓合同演習を意識した示威のためのデモ発射として行われた。もう1つは前者に使われたミサイルは単に戦術誘導兵器、あるいは長距離攻撃手段と記されているのに対して、後者においては「新型」戦術誘導兵器あるいは「新型」戦術誘導ミサイルと記されている。「新型」というのは、その後の用語の使い方と比較すると新しく開発した兵器の意味ではなくて、すでに運用中の兵器における新型であることを意味すると解釈される。このような記述の違いを考えると、前2回の訓練に使われたミサイルと後2回のデモ発射のミサイルは、いずれもイスカンデル類似のミサイルであったとしても、旧型と新型の違いがある可能性がある。また、以下に述べるように「新型」は自国開発の兵器ではなく、外国からの購入兵器あるいはその改良であると考えるべきであろう。

この「新型」という表現に対して、731日と82日に発射された大口径誘導多連装ロケットと、824日、910日、1031日に発射された超大型多連装ロケットの場合は、「新しく開発した」兵器の「テスト発射」と表現した。前者は2回のテスト発射を行い後者は3回のテスト発射を行っている。また同様に、810日と16日に発射された外形がATACMS類似のミサイルの場合も、「新兵器」の「テスト発射」と記述されている。これら3種類のミサイルは、付随する他の記述も合わせて考えると、党の方針によって国防科学者が取り組んだ新兵器開発の成果を検証するテスト発射であったと確認できる。その意味で、4回にわたって発射されたイスカンデル風のミサイル(2つの型かも知れない)とは、異なる次元の発射であった。

ちなみに、このような分析に従えば、54日の訓練において発射された大口径長距離多連装ロケットは、既存の運用中の兵器(おそらく無誘導)を示すものであり、後の開発中の多連装ロケットとは無関係と解するべきであろう。

韓国、日本の軍事力強化の動向

 これらの短距離ミサイルの発射がメディアで敏感に取り上げられる理由は理解できなくもない。それは、やがて中・長距離ミサイル発射が再開する前兆と捉えられ、さらに朝鮮半島の非核化と平和プロセスの崩壊へと繋がってゆく可能性が危惧されるからである。また、北朝鮮の弾道ミサイル発射が、形式的な安保理決議違反であるという事実が、報道メディアにとって、意図的にせよ無自覚であるにせよ、報道のハードルを低くしている可能性がある。

 しかし、非核化・平和プロセスの崩壊を防ぐためには、短距離ミサイル発射に敏感になることは正しい関心の向け方ではないであろう。むしろ、問題の本質からはずれる方向である。トランプ大統領が短距離ミサイル発射を問題視しない姿勢を取り続け、韓国の(ちょん)義溶(うぃよん)安保室長が「われわれの安全保障に深刻な脅威ではない」2]と述べるのも、それぞれが別の理由からであっても結果的に正しい姿勢だと言える。非核化・平和プロセスにとっての現在の問題の核心は、米国が北朝鮮との交渉において相互的で段階的な交渉を積み上げる方針を採択し、北朝鮮がすでに具体的に示唆している寧辺施設の凍結を含む第1段階の措置に対して、具体的な相互措置を提案するかどうかにある。

 このような前提となる視点を据えたうえで、以下では、北朝鮮が短距離弾道ミサイルの発射を繰り返す背景となる韓国と日本の軍事的動向―それらには米国も関与している―について考察したい。

 監視報告13号でも指摘した通り、北朝鮮の行動の背景には、8月に実施された米韓合同軍事演習に対する反発だけではなく、韓国がステルス戦闘機F35Aや無人偵察機グローバルホークの導入によって軍の近代化を進めていることに対して、北朝鮮自身が防衛力強化を図らなければならないという理由がある。

 北朝鮮は、725日のミサイル発射は最新兵器の購入や米韓合同演習実施に走る韓国軍部への警告であると述べ[3]、米韓合同軍事演習が開始された翌日の86日には「新型」戦術誘導ミサイルのデモ発射を行い、それが米韓合同軍事演習に対する警告になると述べている[4]。さらに、監視報告No.13 で述べたように、北朝鮮は「我々としては、韓国で増強される致死兵器を完全に破壊するための特殊兵器を開発しテストする以外に選択の道がない」と警告した[5]。そして、この警告に符合して、今日に至るまでに北朝鮮は低空滑空能力や急上昇軌道をもった兵器を誇示したり[6]、超大型多連装ロケットの標的群への先制攻撃能力を開発したり[7]してきたのである。

 韓国は米最新兵器の購入のみならず、近年、兵力の近代化に努めてきた。7月に初の軽空母の建設も発表した[8]。北朝鮮に対して注目が集まっているミサイル発射に関して言えば、よく知られているように、韓国国防部は2012年にミサイル指針を改定し、保有する弾道ミサイルの最大射程を300kmから800kmに伸ばした。さらには北朝鮮に対してミサイルなどによる先制攻撃を行うためのキル・チェーンと呼ばれるシステムの構築に取り組んできた[9]。韓国の鄭義溶・大統領府安保室長が、韓国のミサイル能力について「詳細を明かすことはできないが、北に引けをとらないほどミサイル発射実験を実施している」と国会で述べた[10]のは、正直な現状であろう。


韓国だけでなく日本の安倍政権による自衛隊の軍備拡大も広く知られているところである。北朝鮮は日本の動向も注視している。826日の『朝鮮中央通信』は自衛隊の護衛艦いずもの空母化を、攻撃能力の「質的な飛躍」であると論評し、「今日の自衛隊は、列島の国境を超えて任意の時刻に任意の場所で戦争を遂行できる能力を備えた侵略軍になった」と指摘した[11]。このような日本の軍事力が、米軍のこの地域における展開と緊密に結びついていることも周知のことがらである。10月下旬においても、グアムを飛び立ったB52爆撃機2機が航空自衛隊と日本海上で異例の訓練を行ったことが報じられている[12]。

 このような北東アジアにおける日、韓の最近の軍事力強化の動向や日常的な軍事活動を考えると、通常兵器分野における北朝鮮の活動のみに焦点を当てるメディアの関心のあり方は偏っており妥当ではない。地域全体に緊張緩和と軍縮動向を作り出すことが必要なのであり、そのような視座のなかで、米朝協議の促進についての方途を探らなければならない。(森山拓也、梅林宏道)


<表> 北朝鮮の短距離ミサイル発射
発射
推定発射場所
発射に関する北朝鮮の報道
54
虎島(ホド)半島
正面前線地域及び東部前線の部隊による大口径長距離多連装ロケットと戦術誘導兵器の作戦能力と攻撃任務の精度を評価し検査する訓練。[13
59
新五里(シノリ)
正面前線地域及び西部前線の部隊の種々の長距離攻撃手段の訓練。[14
725
虎島(ホド)半島
韓国軍部への警告のために新型戦術誘導兵器の威力のデモ発射。素早い反火力能力や低空滑空・急上昇軌道の特徴を確認した。[15
731
元山(ウォンサン)
朝鮮労働党の第7回大会での指針に新しく開発した大口径誘導多連装ロケットのテスト発射。[16
82
(ヨン)(フン)
新しく開発した大口径誘導多連装ロケットの再テスト発射。高度を制御した水平飛行の性能、軌道制御能力、命中率の検査が目的。[17
86
クァイル
2発の新型戦術誘導ミサイルのデモ発射。西部の滑走路から首都地域と内陸中央の上空を飛んで東海の小島に命中。米韓合同演習への警告も意図する。[18
810
咸興(ハムン)
新兵器のテスト発射。北朝鮮の地形に合致する、既存兵器システムとは違う戦術的特性を持つ。党中央委員会の方針に沿う。[19
816
通川(トンチョン)
新兵器の再度のテスト発射。党方針の攻撃手段を最短期間に開発した。[20
824
宣徳(ソンドク)
新たに開発した超大型多連装ロケットのテスト発射。若い科学者の創意による開発。[21
910
价川(ケチョン)
超大型多連装ロケットの再テスト発射。配備時間を計測し、戦闘運用、軌道特性、正確性、精密誘導機能を実証した。連続発射に課題が残る。[22
1031
順川(スンチョン)
超大型多連装ロケットの3度目のテスト発射によって連続発射システムの安全性を検証し成功した。標的群や標的地域の先制攻撃が可能になった。[23


1 例えば、岩屋防衛大臣記者会見(防衛省、201993日)。https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2019/0903a.html。また、佐藤武嗣「北朝鮮、ミサイル着々」(『朝日新聞』、20191021日)。https://digital.asahi.com/articles/DA3S14224898.html
2 「北朝鮮のミサイル能力『深刻な脅威ではない』=韓国国家安保室長」(聯合ニュース(日本語版)、2019111日)、https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191101001900882?section=nk/index
3 「金正恩最高指導者が新型戦術誘導兵器の威力デモ発射を指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、2019726日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
4 「金正恩最高指導者が新型戦術誘導ミサイルのデモ発射を参観」(『朝鮮中央通信』英語版、201987日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
5 「韓国当局、激しく非難される」(『朝鮮中央通信』英語版、2019711日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htm から日付により検索。
6 注3と同じ。
7 「超大型多連装ロケットランチャーのさらなるテスト発射がDPRKで実施される」(『朝鮮中央通信』英語版、2019111日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htm から日付により検索。
8 「武力への投資:韓国の軍事費が北朝鮮の懸念を生んでいる」(ロイター、2019911日)。https://www.reuters.com/article/us-southkorea-military-analysis/buying-a-big-stick-south-koreas-military-spending-has-north-korea-worried-idUSKCN1VW03C
9 2018年版「防衛白書-日本の防衛」(防衛省、2018928日)。https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2018/html/n12202000.html#a77
10 注2と同じ。
11 「KCNA論評が日本に対してその軍事動向を警告する」(『朝鮮中央通信』英語版、2019826日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
12 「米B52爆撃機が航空自衛隊と日本海上空で異例の訓練を行う」(『ジャパン・タイムズ』、20191029日)。https://www.japantimes.co.jp/news/2019/10/29/asia-pacific/b52-bombers-training-sea-of-japan-asdf/#.XcJXfOj7SUk
13 「金正恩最高指導者が正面前線地域及び東部前線で防衛部隊の打撃訓練を指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、201955日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
14 「金正恩最高指導者が正面前線地域及び西部前線で防衛部隊の打撃訓練を指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、2019510日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
15 注3と同じ。
16 「金正恩最高指導者が新型大口径誘導多連装ロケットシステムのテスト発射を指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、201981日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
17 「金正恩最高指導者が再び新型大口径誘導多連装ロケットシステムのテスト発射を指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、201983日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
18 注4と同じ。
19 「金正恩最高指導者が新兵器のテスト発射を指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、2019811日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
20 「金正恩最高指導者が再び新兵器のテスト発射を指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、2019817日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
21 「新たに開発した超大型多連装ロケットランチャーの成功裡のテスト発射が、金正恩最高指導者の指導のもとで行われる(『朝鮮中央通信』英語版、2019825日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
22 「金正恩最高指導者が超大型多連装ロケットランチャーのテスト発射を再び指導する」(『朝鮮中央通信』英語版、2019911日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付により検索。
23 注7と同じ。

2019/09/20

監視報告 No.15

監視報告 No.15  2019年9月20日

§ 定まらぬ米国の交渉姿勢―段階的アプローチを支持する世論形成が急務だ

 板門店パンムンジョムで行われた6月の首脳会談以来停滞している朝鮮半島の平和と非核化に向けた米朝の交渉について、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の崔善姫チェソンヒ第1外務次官は、9月下旬頃に米国との協議に応じる用意があると表明した[1]。崔善姫は「米国側が朝米双方の利害に等しく合致し、われわれに受け入れ可能な計算法に基づいた提案を持ってくると信じる」と期待を示す一方で、米国側が「新しい計算法と縁のない古いシナリオをまたもや持ってくるなら、朝米間の取引はそれで幕を下ろすようになるかも知れない」と米国政府に警告している。北朝鮮の要望に応じることは、米国や日本などでは「妥協」とか「弱腰」と捉えられかねないが、現状を打開するためにはやはり北朝鮮が主張する「新しい計算法」で米国政府が協議に臨む必要がある。マスメディアではほとんど注目されていないが、米国の専門家からも「新しい計算法」となり得る現実的な打開策が既に提案されており、朝鮮半島の平和と非核化を実現するためには、米国政府がそうした提案を実際に採用できるかどうかが今後の鍵になる。

「米韓合同軍事演習が終わればすぐに会って交渉を開始したい」、「軍事演習が終われば、ミサイル実験はやめる」。米国のドナルド・トランプ大統領に手紙でこう伝えていた北朝鮮の金正恩委員長だが[2]、北朝鮮は米韓の軍事演習終了後も依然としてミサイル実験を行い、先月の23日と31日には、それぞれ李容浩(リヨンホ)外相と崔善姫米国側の交渉姿勢についてマイク・ポンペオ米国務長官を名指して厳しく批判している3]。

冒頭の崔善姫の警告も含め、一見すると強硬に映る北朝鮮側の言動だが、彼らの米国に対するこれまでの一貫した方針に沿ったものとして理解することができる。

北朝鮮は核兵器を放棄する条件として常に北朝鮮に対する敵視政策の中止を米国に求めてきた。1994年の米朝枠組み合意や2005年の6か国合意など、これまで北朝鮮が合意した朝鮮半島の核に関する主な合意はいずれも北朝鮮の安全の保証を条件にしていたし、2008年に6か国合意の枠組みが崩れた後も、北朝鮮側は米国が敵視政策を止めることを条件に核開発を中止する提案を行っている[4]。そして昨年6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談では、金正恩は「北朝鮮の安全の保証」をトランプに確約させた上で、米国側と「新しい米朝関係の構築」や「朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築」、「朝鮮半島の完全な非核化」、「米兵の遺骨回収と返還」に取り組むことで合意した。そしてシンガポール合意後、北朝鮮は米国に対する信頼の度合いに合わせてミサイル施設の一部解体や米兵の遺骨返還などを行い、北朝鮮の非核化だけを一方的に求める米国政府に対してシンガポール合意の履行を求めてきた。北朝鮮にとって、戦争状態にある米国の侵略を抑止するために開発した核兵器は、それを手放しても米国に侵略されないという安全が担保されない限り放棄することができない。

対する米国政府の方針ははっきりしない。2月にベトナム・ハノイで行われた首脳会談では、会談前にスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表がシンガポール合意の「全ての約束」を「同時並行で追求する用意がある」と北朝鮮側の交渉担当者に伝えていたにもかかわらず[5]、実際には制裁解除の条件として北朝鮮に全ての核施設の廃棄を要求し、会談は物別れに終わった。その舞台裏については、ジョン・ボルトン大統領補佐官(当時)とポンペオ国務長官が、北朝鮮側が受け入れないことを承知でトランプに全ての核施設の廃棄を要求するよう進言していたとニューヨークタイムスが伝えるなど、北朝鮮との合意に前向きだったトランプを政府内の強硬派が阻止したとの見方が多い[6]。また6月の板門店会談でも、ビーガンは会談直前に「シンガポールでの共同声明の約束を同時的・並行的に進展させるために北朝鮮側と建設的な議論をする準備ができている」と語り[7]、会談後の記者との非公式な会話で凍結案─北朝鮮側が大量破壊兵器開発計画を完全に凍結し、米国側が北朝鮮に対する人道支援をし、双方が人的交流と首都への連絡事務所の設置を行う─を検討していると語っていた。そして、国務省報道官も凍結案を否定せず、非核化プロセスの「開始時点で我々が見たいものだ」と述べていた[8]。ところがポンペオは、821日に行われた米国メディアとのインタビューで、北朝鮮が非核化しないなら「史上最強の制裁を維持し、金委員長と北朝鮮指導部に非核化が正しい道であるという事を納得させる」と述べている[9]。ポンペオは今月6日に米国・カンザスシティで行われた講演でも、米国側の合意の履行義務は棚に上げて、北朝鮮側が約束通り非核化すれば米国は彼らに安全を提供すると語っており[10]、シンガポール合意が相互的で対等なものであるということが全く念頭にない。先月の李容浩や崔善姫によるポンペオ批判は当然のものだ。

また米国は規模を縮小しながらも対北朝鮮軍事力の維持強化を意図する米韓合同軍事演習を8月に実施し、ステルス戦闘機F35Aなど最新兵器の韓国への納入を続けている[11]。北朝鮮が7月から繰り返し行っているミサイル実験は、合意に反する行動をとる米韓に対する反発の意思表示という側面もあるが、より実質的には軍事的能力の向上を図る米韓に対して、自国の安全保障を確実にするための現段階における軍事力の強化と捉えるべきだろう。

朝鮮半島の完全な非核化を実現するには、シンガポールで約束した通り、「新しい米朝関係」や朝鮮半島の「平和体制」を構築して「北朝鮮の安全の保証」を確かなものにし、北朝鮮が核兵器を放棄できる環境を整えてゆかなければならない。その最初のステップとして考えられるのは、まさにビーガンが示唆していた凍結案だ。マスメディアなどでは「北朝鮮の非核化」が置き去りになるのではないかと懸念する見方が強いようだが、米国側が凍結案を真剣に検討しているなら、それは前進と捉えられるべきだ。元米国務省高官のロバート・エインホーンは凍結案を支持し、非核化に向けて北朝鮮が受け入れ可能な具体的な提案を、日本のマスメディアも度々引用するシンクタンク、38ノースに寄稿している[12]。

エインホーンは、凍結案による「暫定的な合意を超えて」北朝鮮が「完全な非核化」に向けて歩みだすよう「圧力」をかけるために、米国政府は制裁緩和を「梃子」にすべきだと主張し、具体的な中間措置として、朝鮮戦争の終戦宣言、両国の首都への連絡事務所の設置、米韓合同軍事演習の規模の制限、新たな国連制裁や独自制裁を追求しないという約束、人道支援、南北間の経済事業(開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光事業など)に関する制裁の除外、いくつかの国連制裁─特に北朝鮮の外貨獲得とは関係のない事業を妨げている制裁(北朝鮮による石油製品の輸入など)─の解除を挙げている。これらの多くは、我々の監視報告も段階的措置として提案てきた内容でもある13]。
米国政府は北朝鮮が核兵器を放棄するために不可欠な条件である「安全の保証」を如何に提供するかを示す必要がある。北朝鮮側からすれば、それが米国の「新しい計算法」ということになるだろう。

「新しい計算法」で米国が交渉に臨むためには、関係国の世論とマスメディアの役割も重要になる。米国が北朝鮮に安全の保証を提供するための行動をとろうとした時に、それが朝鮮半島の完全な非核化実現のために必要な措置であると世論が理解できるかどうか。この点については、ハノイ会談でトランプがメディアに叩かれることを恐れて用意されていた合意文書への署名を見送ったことが想起される。トランプは会談後の会見で「私は今日署名することもできた。そうしたらあなた方は『何とひどい取引だ。彼は何とひどい取引をしたんだ』と言っただろう」と述べて、出来上がっていた合意文書に署名することは「100%」可能だったがしなかったと明らかにしている[14]。国内外に多くの混乱や災難をもたらす言動を繰り返しているトランプだけに、マスメディアが大統領選に向けて成果を欲しがるトランプを批判する構図から脱却することは難しいかもしれない。しかし、党派をこえて「朝鮮半島の非核化」にとって必要な措置は何かという視点から世論を形成する努力が、識者にもメディアにも極めて重要である。

強硬派のボルトンは政権を去ったが、だからと言って米国が「新しい計算法」で今後交渉に臨むとは限らない。しかし仮にトランプ政権に「新しい計算法」で交渉に臨む意志があるとしても、世論の動向を考慮に入れざるを得ないだろう。また米国政府が「計算法」を変えないなら「新しい計算法」で交渉させるために世論の圧力が必要になる。政府関係者だけでなく、研究者やマスメディア、市民社会、東アジアの平和を求める全ての人がこの問題にどう向き合い行動するかということが問われている。(前川大)

1 『朝鮮中央通信』201999
2 トランプのツイート 2019810
3 823日、李容浩は制裁で北朝鮮を非核化させると米国メディアに語ったポンペオ(本文参照)を米朝交渉の「妨害者」と非難し、「米国が対決的姿勢を捨てずに制裁など」で臨むなら、「われわれは米国の最大の『脅威』」として残り続けることになると米国政府を批判した(『朝鮮中央通信』2019823日)。831日、崔善姫はポンペオが米国・インディアナポリスでの演説で北朝鮮を「ならず者」と呼んだことに反発し、「米国との対話に対するわれわれの期待はますます消えており……今までの全ての措置を再検討しなければならない状況へ進ませている」と警告した(『朝鮮中央通信』、2019831日)。
4 2012229日の「うるう日合意」がその代表的な例である。米朝両国は互いに敵対的意図がないことを確認し、北朝鮮は長距離ミサイル実験や核実験の中止、寧辺のウラン濃縮停止、国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れを約束した。(詳細はピースデポ『核兵器・核実験モニター』397号参照)。
5 米国務省、「Remarks on DPRK at Stanford University」、2019131
6 『ニューヨークタイムス』(201932日電子版)
7 「U.S. ready for talks with N.K. to make 'simultaneous and parallel' progress: nuke envoy」(『聯合ニュース』、2019628日)(英文)
8 ビーガンの非公式インタビューは『AXIOS』(201973日「Scoop: Trump's negotiator signals flexibility in North Korea talks」)(英文)。
凍結案を認めた米国務省モーガン・オルタガス報道官のコメントは、米国務省「国務省プレス・ブリーフィング」(201979日)。
9 「Mike Pompeo says no to Senate run in exclusive, wide-ranging interview」(『ワシントンエグザミナー』、2019821日)
10 「Secretary Michael R. Pompeo with Pete Mundo of KCMO」(米国務省、201996日)
11 監視報告No.13及びNo.14参照。
12  Robert EinhornUS-DPRK Negotiations: Time to Pivot to an Interim Agreement」(38 North201982日)
13 監視報告No.7及びNo.12は、交渉の初期段階で妥結を目指すべき中間措置として、①戦争終結宣言あるいは平和宣言、②平壌への米連絡事務所の設置、③不安要因となりうる今後の米韓合同演習の規模や性格に関する暫定的な合意、④経済制裁の緩和についての北朝鮮の5件の要求よりも低いレベルの緩和措置、⑤南北の経済協力に付随して必要な範囲に限定した制裁緩和、⑥平和利用の担保を条件にした北朝鮮の宇宙や原子力開発に関する制限の緩和と核・ミサイル施設の公開の拡大、を提案した。
14 「トランプ大統領のハノイでの記者会見における発言」(ホワイトハウスHP2019228日)

2019/08/29

監視報告 No.14

監視報告 No.14  2019年8月28日

§ 英独仏が開催を呼びかけた国連安保理は、北朝鮮への制裁ではなくシンガポール米朝合意の履行促進を協議すべきであった

 630日、板門店における米朝首脳会談において、米朝は7月中旬の実務者協議に合意したが、米側から「新しい計算法」に基づく提案が出てこないため、未だに実現していない。

 この2か月間は、米韓合同軍事演習の実施を巡り、米朝、南北の対立が表面化した。朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は、米韓合同演習は、北朝鮮を敵視するものであり、米朝シンガポール合意や南北板門店宣言に反するとして、演習の中止を強く求め続けた。米韓は、演習に「同盟19-2」のように呼称を付けるのを止め、前半を「危機管理参謀訓練」(85日~8日)、後半を「米韓合同指揮所訓練」(811日~20日)と名称を変更するなどしたものの[1]、予定通りの軍事演習を実施した。これに対し、北朝鮮は、米韓合同演習を前後して、725日以来現在まで、7回(725日,31日,82日、6日、10日、16日、そして24日)の短距離弾道ミサイルなどの発射実験を繰り返した。

 北朝鮮の短距離ミサイル発射に対して英独仏は安保理の開催を要求し、81日に非公開会議が開かれた。3か国は、会議終了後、記者会見を行い[2]、北朝鮮の短距離弾道ミサイル発射を非難する短い共同声明を発した[3]。声明は、過去数日間の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、「国連安保理決議に違反するものとして繰り返し非難する」と述べ、「北朝鮮の核および弾道ミサイル計画が解体されるまで、国際的制裁はそのまま維持され、完全に執行されなければならない」と、制裁執行の継続を強く主張した。

これに対し、北朝鮮は、「朝鮮中央通信」を通じて、即座に英独仏の動きを強く批判する外務省報道官の談話を発表した[4]。それによると、英独仏は、「韓国での戦争演習と先端攻撃兵器の韓国への輸送」を問題にしないまま、「飛翔体の射程ではなく、弾道ミサイル技術に基づく発射自体を問題」にしようとしており、これは、主権国家の自衛権を完全に放棄するよう迫るに等しい行為であると反発している。そして3か国の無分別な言動は、朝鮮半島情勢の緊張を抑制するのでなく、むしろ悪化させることになると警告した。ここでの「先端攻撃兵器の韓国への輸送」というのは、韓国が米国から購入したステルス戦闘機F35Aが韓国空軍基地に最近到着したことを指している。無人偵察機グローバルホークも到着する予定である。

81日の安保理会議では、安保理としての声明などは出されなかった。会議での議論の詳細は伝えられていないが、これは当然の結果であろう。安保理で発言力のある米国が、米朝間のシンガポール合意の枠組みを重視し、短距離弾道ミサイル発射を安保理決議違反として問題にする意思がなかったからである。トランプ大統領はツイートで、「ミサイル発射は国連では問題かもしれないが、シンガポールの約束に違反していない」と主張し[5]、仮に弾道ミサイルであったとしても短距離であれば問題にしないことを表明している。

今回の安保理会議で表面化したもっとも深刻な問題は、英独仏の情勢認識の古さと偏りである。これらヨーロッパ3か国は、米国とは少し離れた位置から朝鮮半島の平和・非核化プロセスに関して、将来的には国際的な調停的役割を果たし得る国々であり、それだけに問題はより深刻である。

81日の共同声明を読む限り、英独仏3か国は朝鮮半島の非核化が具体的に前進するのは米朝間の協議によってであるという認識はもっているようである。しかし、7月中旬とされた実務者協議がなぜいまだに実現していないのか、今後の米朝協議の前進のためには現情勢下で何が求められるのか、といった核心の問題について、共同声明には3か国の認識がまったく述べられていない。のみならず、3か国は「北朝鮮に対して、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)に向けて具体的な行動を取るよう要求する」「…北朝鮮の真剣な努力が朝鮮半島の安全と安定を保証する最善の道である」と述べるなど、北朝鮮への上から目線からの要求のみを掲げた、初歩的な主張を繰り返している。これは、現段階で安保理が果たすべき役割ではない。

 本監視報告No.10でも指摘されているが、国連安保理は、20061014日の決議1718以来、2017年まで10回にわたり北朝鮮に対し、「核実験」と「弾道ミサイル技術を用いたすべての発射」を禁止し、核兵器及びすべての大量破壊兵器(WMD)とそれらの計画、および弾道ミサイル計画を廃絶することを要求する安保理決議を採択してきた。しかし、安保理の経済制裁決議による11年以上にわたる状況改善の努力は効を奏することができなかった。この状況を打破したのは、2018年からの米朝首脳会談の実現であり、米朝シンガポール共同声明という成果物である。この共同声明の合意の履行によって、安保理決議が制裁によって達しようとした目標についても実現に向けて重要な一歩前進をはかる条件が生まれたのである。

3か国を含めた安保理の関係国は、今こそ、米朝シンガポール合意の順調な履行を支援するために安保理がどのような役割を果たし得るかを議論すべきである。状況にそぐわない「弾道ミサイル技術を用いたすべての発射」云々という安保理決議を根拠にした北朝鮮への制裁を自己目的化した議論は、非核化への情勢改善に貢献しない。

 そもそも北朝鮮に対する一連の安保理決議は、「弾道ミサイル技術を用いたあらゆる発射を禁じる」という、例のないミサイル制限を加えたために、かえって身動きできなくなっていることにも、安保理は冷静な目を注ぐ必要がある。 (湯浅一郎、梅林宏道)

追伸:本報告を書き終えた直後の827日、英独仏の要請によって2度目の同趣旨の国連安保理が開催され、3か国は81日とほとんど同内容の共同声明[注6]を発表した。本報告の趣旨はますます重要性を増している。

1 「韓米きょうから合同指揮所演習 北の武力示威にも警戒」(『聯合ニュース』、2019811日)。
3 「北朝鮮に関する国連安保理協議後の英独仏の共同声明」
4 「北朝鮮外務省報道官、国連安保理の非公開会議を糾弾」(『朝鮮中央通信』英語版、201982日)。http://www.kcna.co.jp/index-e.htmから日付で検索。
5 トランプ大統領ツイッター(201982)

2019/08/02

監視報告 No.13

監視報告 No.13  2019年8月2日

§ 軍事的な出来事を契機とした事態悪化を防ぐため、南北共同軍事委員会を活用する国際的な支援が必要である

本監視プロジェクトは、日本にも深く関係する問題として、朝鮮半島の平和・非核化プロセスが、個別の軍事的行為や出来事を契機として悪化するリスクに懸念を抱いてきた[1]。5月の短距離ミサイル発射のときに引き起こされた国際社会の反応に引き続いて、最近の米韓合同演習「同盟19-2」の開催を巡る動きや朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の新型誘導兵器の発射をめぐる情勢は、このようなリスクが継続していることを示している。


5月のミサイル発射
 今年5月に行われた北朝鮮のミサイル発射事件のことを簡単に振り返っておこう。北朝鮮は54日に大口径の長距離多連装ロケット砲と戦術誘導兵器の運用能力を試すことを目的として「火力打撃訓練」を実施した2]。さらに59日には、複数の短距離ミサイルを日本海(東海)に向けて発射した。北朝鮮は、いずれの発射も「経常的で自衛的な軍事訓練」であるとし、これを大げさに論じる勢力に抗議した[3]。

 このときの各国のメディアの反応は大きかった。主要メディアは、国連安保理の制裁決議の対象になるとか、短距離の発射がやがて長距離ミサイル発射へと繋がってゆき北朝鮮の昔ながらの瀬戸際外交が始まる第一歩である、などといった論調の専門家のコメントが載った大見出し記事で覆われた。このような論調に対して、ボルトン米大統領補佐官のような強硬派は別として、米国と韓国の政府当局者は問題の鎮静化に努めた。例えば、ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官は、522日、陸軍太平洋シンポ(ハワイ)での講演[4]で、5月の北朝鮮によるミサイル発射を含む訓練は、北朝鮮の通常の軍事活動の一部であり、朝鮮半島における緊張緩和の状態に特に悪影響を及ぼすものではないと述べた。また、トランプ大統領は、525日、ツイッターに「北朝鮮が何発か小さな兵器を発射した。私の閣僚やらの中には気にしている者もいるが、私は気にしない。金委員長は、私との約束を守ると信じていると投稿した5]。韓国政府は、発射されたものは短距離ミサイルであるとしながら、国連制裁決議の対象になる弾道ミサイルであるかどうかの判断を最後まで留保した[6]。

 このように、5月のミサイル発射事件は、国際的な反響が大きく、多くは北朝鮮が再び約束を破ろうとしているといった世論を炎上させた。それは、朝鮮半島の非核化交渉に否定的な影響を及ぼす可能性をはらんでいた。しかし、米国と韓国の政府中枢は事件の鎮静化に努めた。


韓国空軍のF35を破壊するミサイルの示威発射
725日早朝に発射された北朝鮮の2発の短距離ミサイルについて、朝鮮中央通信は「新型戦術誘導兵器の示威発射」であり、金正恩の指示による「韓国軍部の好戦者(ミリタリー・ウォーモンガー)への正式の警告を発する威力展示の一部である」と報じた[7]。今回の発射は、韓国をターゲットにした行為であったことに顕著な特徴がある。

今回の発射の直接の契機は2つあった。そのいずれもが米韓相互防衛協定下で長く続いてきた韓国の安保政策に由来する。1つは韓国空軍が米国から購入した最新鋭F35Aステルス戦闘機の追加の2機が715日に到着したことである[8]。もう1つは米韓合同軍事演習「同盟19-2」が8月にも開かれようとしていることである。2つの契機の両方について、北朝鮮は南北首脳9月平壌宣言の付属文書「軍事分野合意書」に違反すると述べた。

多くの日本のメディアによるミサイル発射報道は、後者の合同軍事演習の問題のみを伝えた。7月中旬と言われていた米朝実務者交渉の開催の遅れが注目される状況の中で、北朝鮮が米韓合同軍事演習の再開に強く抗議していたことが、後者がクローズアップされた理由であろう。しかし、実際には前者の問題の方が、北朝鮮の安全にとっても、あるいは今後の朝鮮半島の平和・非核化プロセスにとっても困難な問題を私たちに示している。事実、北朝鮮が今回の新型ミサイル発射直前に、F35Aを地上で破壊するための兵器を開発・発射テストを行うと予告していたことに注目すべきである。

F35Aの追加2機が清州(チョンジュ)韓国空軍基地に到着する4日前の711日、追加配備の情報を得た北朝鮮は、外務省アメリカ研究所政策研究部長の名において、このステルス戦闘機を「見えない致死兵器」と呼び、その追加配備を「隣国への軍事的優位を確保し、朝鮮半島有事に北朝鮮侵略への突破口を開く目的をもっている」と主張した。そして、「我々としては、韓国で増強される致死兵器を完全に破壊するための特殊兵器を開発しテストする以外に選択の道がない」と警告した[9]。今回の発射テストはまさにここで言う特殊兵器であったと考えられる。726日付「朝鮮中央通信」の記事によると、発射テストされた新型誘導兵器の性能は「低高度で滑空し急上昇する飛行軌道をもち、迎撃が困難である特徴」があると述べている[10]。韓国に配備されている弾道ミサイル防衛システムによる迎撃を回避し、地上ターゲット(空軍基地にあるF35A)を叩く能力を備えたミサイルの「威力展示発射」を行ったのである。

 したがって、米国は新しい脅威ではないと静観の姿勢を示したのに対して、韓国軍は北朝鮮の新しい軍事能力への脅威認識を隠さなかった[11]。しかし、米韓両政府とも、これを米朝協議に悪影響を及ぼす事態にはしないという抑制した姿勢を維持する点においては、5月と変わらなかった。


米韓軍事合同演習「同盟19-2」への強い非難
 北朝鮮の7月のミサイル発射は、韓国軍の新兵器導入と現代化に対して、南北首脳宣言の履行と軍事的対抗の両側面から北朝鮮が反応したものと解釈できる。

 その反面、北朝鮮は「同盟19-2」実施問題については米国に照準を合わせ、米朝実務者協議とリンクさせた強い非難メッセージを送った。これは、実務者協議の再開に関する水面下の交渉において、北朝鮮が望む、従来とは異なる「新しい計算法」[12]に基づく提案が米国から出ていない現状を反映したものであろう。「新しい計算法」を引き出すために、北朝鮮は米韓合同演習を中止するというシンガポールにおける米国の約束がもっていた意味を、米国に想起させようとしている。

 北朝鮮外務省報道官は、716日、この演習は規模においても意図においても従来の米韓合同演習とは異なるという米韓の説明に抗して、次のように反論した[13]。「(演習は)緊急時における封じ込めと反撃を装った、急襲と大量の増派部隊の急派によって我が共和国を軍事制圧することを狙った実地訓練と戦争リハーサルであることは明々白々である。」また、北朝鮮が核実験とICBM発射実験を中止したことと米国が合同軍事演習を中止したことを並置したうえで、これは文章化されていなくても「2国間関係を改善するために交わされた誓約」であると述べた。にもかかわらず、北朝鮮のみが約束を守り、米国が約束を破ろうとしていると現状を述べ、次のように警告した。「米国が一方的に約束を破るにつれて、我々もまた、米国との約束を忠実に守る理由がなくなりつつある。」この北朝鮮の文節を捉えて、多くのメディアは、「米韓合同軍事演習が実施されるならば、北朝鮮は核実験やICBM発射実験を再開する」と、北朝鮮が示唆したと報じた。

 この外務省報道官の声明は、声明の中で「実務者協議」という言葉こそ使っていないが、その前提となるシンガポール首脳共同声明に言及しており、共同声明を実現するための米朝協議の継続そのものが危機にあると警告している。

 北朝鮮の米韓合同演習への反発は、「同盟19-2」以前から強い調子で続いている。34日~12日に従来の合同演習「キー・リゾルブ」に代わる合同演習「同盟19-1」(当時は単に「同盟」と呼ばれた)が行われた時にも、これに対し、「『北の全面的な南侵状況』を想定した戦時作戦計画をコンピューター・シミュレーションを通じて点検し、戦争遂行能力を引き上げるところにその目的がある」とし、「南朝鮮軍当局と米国の尋常でない動きは、敵対関係の解消と軍事的緊張緩和を確約した朝米共同声明と北南宣言に対する乱暴な違反であり、朝鮮半島の平和と安定を願う全同胞と国際社会の志向と念願に対する正面切っての挑戦である」と批判した[14]。

 米韓合同軍事演習に対する北朝鮮の批判論調は、3月以来、ほとんど変わっていない。米韓両国が、口頭で規模の縮小や趣旨の変更の説明を繰り返しても、合同演習の実施が北朝鮮の反発の原因となる状況は、何らかのリスク管理の方法が考案されなければ変わらないであろう。それは、米朝間の平和・非核化協議を困難に陥れる時限爆弾であり続けることになる。


南北共同軍事委員会への期待
 今回のミサイル発射に際して、北朝鮮は韓国指導部のダブル・スタンダードへの強い非難のメッセージを出した。韓国が、一方で朝鮮半島平和の旗手の顔をして北朝鮮と「平和の握手」をしながら、陰でF35A追加配備や米韓合同軍事演習「同盟19-2」の実施を行っているとの非難である。ここで問われている問題は、韓国が米国からステルス戦闘機40機や無人偵察機グローバルホーク4機を購入するという契約に象徴される既定の軍備増強計画や、存続している米韓合同司令部のもとで合同軍事演習が当面は継続されるという、過去からの負の遺産が、南北対話が進む情勢変化の中でどのように解決されてゆくかの問題である。この移行の過程は長期間続く可能性がある。この期間に発生する軍事問題に関わるトラブルの処理を誤ることのリスクを、朝鮮半島の平和・非核化プロセスの成功を望む国際社会は協力して克服しなければならない。

 この問題を考える際に、2018919日の南北平壌(ピョンヤン)宣言の付属合意書として採択された「板門店宣言履行のための軍事分野合意書」によって設立合意された「南北共同軍事委員会」の活用が出発点になる[15]。

 この合意書によって、南北は「地上と海上、空中をはじめとする全ての空間において、軍事的緊張と衝突の根源となる相手方に対する一切の敵対行為を全面的に中止する」と合意し、それを具体化する方策の一つとして、「南北軍事共同委員会」を通して、「相手方を狙った大規模な軍事訓練ならびに武力増強問題、多様な形態の封鎖、遮断や航海の妨害、相手方に対する偵察行為の中止などについて協議する」ことに合意している。

 2019626日、文在寅大統領は世界の通信社7社との合同書面インタビュー[16]に答えて南北共同軍事委員会への期待を次のように述べている。「軍事分野での南北間の合意が適切に実施されれば、南北共同軍事委員会を通じて適切な情報を交換し、軍事演習や訓練を参観することによって、軍事態勢の透明性をさらに高める段階に進むことができる。また、非核化の進展に伴い、首都ソウルを標的とした北朝鮮の長距離砲や南北が保有する短距離ミサイルなど、脅威となる兵器の武装解除に際して前進することが可能になる。」

残念ながら北朝鮮は、この共同軍事委員会を活用する姿勢を見せていない。その理由としては、実質的な米朝協議が進まない現段階では北朝鮮は米朝協議の進展に関心を集中し人的資源もそこに投入せざるを得ないということ、また、従来から米韓軍事同盟における韓国の独立性について疑問を抱いていること、などが考えられる。この状況を克服するためには、国際的な働きかけによる共同軍事委員会の活用について構想することが急務であろう。例えば米国を説得して、南北共同軍事委員会が同意できる国々の代表で構成される国際監視団を組織して米韓合同軍事演習をオブザーブするなどの試みが考えられる。そのような構想においては北朝鮮とも交流のあるASEAN諸国の役割が貴重であろう。(梅林宏道)
追伸:本報告は2019731日の北朝鮮によるミサイル発射以前に書かれたが、趣旨に変更はない。

1 例えば、監視報告No.4「軍事演習を巡って不要な緊張を生むべきではない。軍事的信頼醸成には段階的な前進が必要だ」(2019121日)。
2 「金正恩最高指導者が前線地域と東部戦線における国防打撃訓練を指導する」(『朝鮮中央通信』(英語版)、201955日)。
http://www.kcna.co.jp/index-e.htm から日付により検索。
3 「DPRK外務省報道官、経常的、自衛的軍事訓練を問題視しようとする勢力を批判」(『朝鮮中央通信』(英語版)、201958日)。
http://www.kcna.co.jp/index-e.htm から日付により検索。
4  ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官の陸軍太平洋シンポ(ハワイ)での講演。
6 「韓米、北朝鮮の飛翔体は『短距離ミサイル』と結論」(「聯合ニュース」(日本語版)、201962日)
7 「金正恩最高指導者が新型戦術誘導兵器に示威発射を指導する」(『朝鮮中央通信』(英語版)、2019726日)。
http://www.kcna.co.jp/index-e.htm から日付により検索。
8 「2機の追加F35Aステルス戦闘機が韓国に到着」(「聯合ニュース」(英語版)、2019716日)
9 「韓国当局、激しく非難される」(『朝鮮中央通信』(英語版)、2019711日)。
http://www.kcna.co.jp/index-e.htm から日付により検索。
10 注7と同じ。
11 「弾道弾、米韓に温度差」(『朝日新聞』、2019727日)
12 金正恩は412日の施政演説において、米国が「新しい計算法」をもってアプローチするように要求していた。「朝鮮中央通信」、2019414日。
http://kcna.kp/kcna.user.home.retrieveHomeInfoList.kcmsf「最高指導者の活動」から、日付で施政演説を探すことができる。
13 「米国、DPRKに対する合同軍事演習実施を計画し、非難される」(『朝鮮中央通信』(英語版)、2019716日)。
http://www.kcna.co.jp/index-e.htm から日付により検索。
14 『朝鮮中央通信』(日本語版)、(201937日)
15 「軍事分野合意書」の朝鮮語テキスト
同文書の英文テキスト
日本語訳(一部省略)を本ブログの以下のサイトに掲載した。
16 「聯合ニュースおよび世界の通信社6社による文大統領の合同書面インタビュー」(英語版)

2019/07/17

監視報告 No.12

監視報告 No.12  2019年7月17日

§ 再開される米朝協議は、ビッグディールではなくスモールディールで

 630日、米国のドナルド・トランプ大統領と朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の金正恩委員長が、南北の軍事境界線上の板門店で3回目の首脳会談を電撃的に行って世界を驚かせた。非核化と制裁解除の手順で折り合いがつかなかったベトナム・ハノイでの会談から4カ月。米朝間の溝は依然として埋まっていない。再開される協議では、大統領選を控えるトランプが一気に北朝鮮の完全非核化を求める「ビッグディール」を諦め、「スモールディール」で妥協して北朝鮮の現状を容認するのではないかと懸念する声も少なからずあるようだ。しかしそのスモールディールの積み重ねこそが、今後の朝鮮半島の完全な非核化に向けた交渉の鍵になる。

 板門店での首脳会談の前後から、北朝鮮に対する米国側の柔軟な姿勢を示すトランプ政権内の声が伝えられている。例えば、スティーブン・ビーガン北朝鮮問題特別代表は628日に韓国外務省の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長との会談で、「シンガポールでの共同声明の約束を同時的・並行的に進展させるために北朝鮮側と建設的な議論をする準備ができている」と語った[1]。また米国政府が交渉を進めるために、まず北朝鮮側が「大量破壊兵器開発計画の完全な凍結」し、その見返りとして北朝鮮への人道支援や米朝間の人的交流などを行う案を検討していることを、ビーガンが非公表を条件に米国メディアに語ったことも伝えられた[2]。他にもNHKは、トランプ政権内の「少数派」の意見として「膠着状態が続く中、(トランプ)政権内部では打開策の1つとして、時間を区切って一時的に制裁の一部を緩和し、その間に北朝鮮の行動を見極めるという案」も出ていると伝えている[3]。

 こうしたトランプ政権の柔軟姿勢に対して、北朝鮮の非核化が置き去りになるのではないかと危惧する声も出ている。例えば日本では、NHKの主要ニュース番組のキャスターが「(トランプが)大統領選挙を前に、小さな成果、スモールディールで妥協してしまうんじゃないか」と懸念を示した[4]。

 しかしハノイ会談以降膠着している状況を打開するには、ビーガンが述べているように、「柔軟なアプローチが必要だ」[5]。金正恩も412日の施政方針演説で「双方が一方的な要求条件を取り下げ、各自の利害に合致した」解決策を見出すことを訴えた[6]。米国側の実務責任者であるビーガンがそのことを理解し、少なくとも公式にシンガポールでの合意(新しい米朝関係の構築、朝鮮半島の永続的かつ安定的な平和体制の構築、朝鮮半島の完全な非核化、米兵の遺骨回収と返還)を「同時的・並行的」に進める用意が米国側にあると述べて柔軟姿勢を示していることは、それとして評価できる。問題は、北朝鮮が相互的・段階的な履行を求めていることから、今後の交渉で具体的で双方が受け入れ可能な妥協点を見出すことができるかどうかだ。

 その上で重要なことは、北朝鮮が抱いている米国の脅威を如何に取り除くかということだろう。その重要性は、北朝鮮への不可侵や米朝の関係改善など北朝鮮の安全の保証(単なる「体制保証」ではない)を意図した約束が、シンガポール合意だけではなく、米朝枠組み合意(1994年)や6か国協議での共同声明(2005年)など、朝鮮半島の核に関する主要合意に含まれていることからも明らかだ。朝鮮戦争が終結しておらず米朝間の信頼関係もないなかで、米国の侵略に対する抑止力として核兵器を開発してきた北朝鮮が、脅威の除去より先に核を放棄することは、常識的に考えてあり得ない。米国の北朝鮮に対する「敵視政策」が北朝鮮側の非核化に向けた行動を妨げる最大の要因になっているのであり、朝鮮半島の非核化の問題は米国が敵視政策を止めるか否かという問題に大部分は帰結できる。

 その点を踏まえた上で、ハノイ会談で事前に用意されていながら署名には至らなかった「幻のハノイ合意」を出発点に、今後の交渉のポイントを整理してみたい。

 監視報告No.7では、この「幻のハノイ合意」に注目し、今後の交渉過程で妥結を目指すべきと考えられる以下の6つの中間的措置を提案した[7]。

①戦争終結宣言あるいは平和宣言
②平壌への米連絡事務所の設置
③不安要因となりうる今後の米韓合同演習の規模や性格に関する暫定的な合意
④経済制裁の緩和についての北朝鮮の5件の要求よりも低いレベルの緩和措置
⑤南北の経済協力に付随して必要な範囲に限定した制裁緩和
⑥平和利用の担保を条件にした北朝鮮の宇宙や原子力開発に関する制限の緩和と核・ミサイル施設の公開の拡大

①の戦争終結宣言については、今回の首脳会談でトランプと金正恩が軍事境界線上で握手を交わしたことで象徴的に示されたように、朝鮮半島が未だに戦争状態にあるということは、極めて不合理なことだ。北朝鮮と韓国は昨年9月の平壌宣言の付属文書として署名した「軍事分野合意書」で既に事実上の終戦宣言をしており、朝鮮半島に住む人々は戦争を望んでいない。敵同士である米国の大統領と北朝鮮の指導者が軍事境界線上で握手を交わした今、もはや戦争を続ける理由は見当たらない。在韓米軍を撤退させたくないと考えている一部の人間が終戦宣言を拒んでいるようだが、最近の書面インタビューで韓国の文在寅大統領が明言しているように、金正恩は「(朝鮮半島の)非核化を米韓同盟や在韓米軍撤退と関係づけたことは一度もない」[8]ことから、在韓米軍の問題は朝鮮戦争終結のための障害にはならない。

 ②の平壌への米連絡事務所の設置は、朝鮮戦争が終結したなら、比較的容易に実現できるだろう。現にビーガンが上記のオフレコの会話で言及している[9]。平壌に米国の施設や財産が存在することは、今後米国が北朝鮮を侵略しないという一つの保証になる。

 ③の米韓合同演習などに関する暫定的な軍事的合意について言えば、米韓と北朝鮮の間の相互信頼が不十分な現段階においては、先ず、いずれかの軍事演習や兵器開発が相手に不信を抱かせ、交渉全体の妨げになるような事態を避けるために、このような合意が必要である。また偶発的な衝突を防ぐためにも、南北間だけではなく米軍も含めた何らかの軍事的な合意が必要だ。

 ④の経済制裁の緩和については、ハノイ会談で北朝鮮側が部分的な制裁緩和として要求した国連制裁決議の民生関連の制裁緩和について、米国側は「事実上の全面緩和」と受け取っていることから、双方にとって受け入れ可能な中間点を探る必要があるだろう。まずは⑤のように、南北の経済協力に関する限定的な制裁緩和などが考えられる。韓国は南北間の経済協力を実行できることを心待ちにしているが、経済制裁が障害となって実現できておらず、そのことが原因で南北関係に悪影響を及ぼしている。南北間の経済協力に関する制裁解除は速やかに行われるべきだろう。監視報告で繰り返し指摘した通り(監視報告No.8No.9)、国連安保理の制裁決議にはほとんどの場合、北朝鮮の決議の遵守状況に応じて制裁を強化・修正・解除する用意があることを述べた条項が明記されている。制裁が朝鮮半島の非核化の妨げにならぬよう、国際社会にはそうした条項に従って制裁見直しの議論を行う必要があることを、再度指摘しておく。とりわけ、制裁が国連の援助活動などにも影響を与え、一般の朝鮮人に甚大な影響が出ている事実を国際社会は深刻に受け止めなければならない[10]。

 ⑥の北朝鮮による宇宙や原子力の平和的利用については、国際原子力機関(IAEA)や核拡散防止条約(NPT)などに復帰して必要な国際的査察の下に置かれたとき、当然の結果として北朝鮮にも宇宙や原子力の平和利用の権利が早期に認められなければならない。

 朝鮮半島の非核化に向けた中間的な措置は他にも考えられるだろう。いずれにしても、再開される実務者協議では具体的で実現可能な措置で合意を重ね、ひとつひとつ着実に実行することで、北朝鮮が主張する米国の脅威を取り除き、米朝間の信頼関係を構築して、北朝鮮が非核化できる環境を整えることが重要だ。

 このような段階的な非核化は、朝鮮半島の完全な非核化と矛盾しない。段階的な非核化は完全な非核化へ向けた第一歩なのであって、北朝鮮の核保有を容認することではない。ビーガンが非公表を条件に語った前述の「凍結」の案も、米国務省のモーガン・オルタガス報道官が後に記者会見で語ったように、非核化の「プロセスの始まり」に過ぎない[11]。

トランプ大統領が歴代の大統領と違うことを示すためには、敵視政策を止めて北朝鮮の安全を保証し、朝鮮半島の完全な非核化に道筋をつける必要がある。そのためには、政権内の強硬派やスモールディールを「妥協」と捉える世論があるが、トランプはこれらに打ち勝つ必要がある。道理に基づいた世論を形成して、トランプが作り出している機会を持続させ、生かすことが市民社会の活動として求められている。(前川大、梅林宏道)

1 「U.S. ready for talks with N.K. to make 'simultaneous and parallel' progress: nuke envoy」(聯合ニュース、2019628日)(英文)
2 「Scoop: Trump's negotiator signals flexibility in North Korea talks」(AXIOS201973日)(英文)
3 NHKワシントン支局長・油井秀樹、ニュースウオッチ92019628
4 キャスター・有馬嘉男、ニュースウオッチ9201971
5 「‘Door is Wide Open’ for Negotiations with North Korea, US Envoy Says」(Atlantic Council2019619日)
6 「朝鮮中央通信」、2019414日。
http://kcna.kp/kcna.user.home.retrieveHomeInfoList.kcmsf「最高指導者の活動」から、日付で施政演説を探すことができる。
8 文在寅の聯合ニュースなどとの書面インタビュー。2019626日発表。
9 注2と同じ。記者との非公開の会話の中で、ビーガンは北朝鮮の大量破壊兵器開発計画の凍結の見返りとして、お互いの首都に連絡事務所を設置することも提案している。
10 例えば、国連世界食糧計画「Democratic Peoples Republic Of Korea (DPRK) - FAO/WFP Joint Rapid Food Security Assessment」(20195月)、14p
11 米国務省「国務省プレス・ブリーフィング」(201979日)

監視報告 No.37

   監視報告 No.37   2024年7月19日 § NPTと北朝鮮:日韓両政府は、条約会議を非難ではなく問題解決の場として活用すべきである     2024年7-8月、第11回核不拡散条約(NPT)再検討会議(2026年)に向けた第2回準備委員会がジュネーブで開催される予定...