2018/11/13

プロジェクトについて

NPO法人ピースデポ・プロジェクト
北東アジア非核兵器地帯へ:
朝鮮半島非核化合意の公正な履行に関する市民の監視活動
(略称:非核化合意履行・監視プロジェクト)

趣旨
韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、南北首脳会談における板門店宣言(2018年4月27日)において、朝鮮半島の軍事的緊張を緩和し、戦争の危険を除去し、非核化を含む恒久的平和体制を確立するために協力し合うことに合意した。米朝両国は、シンガポール首脳会談における共同声明(同年6月12日)において、平和と繁栄のための新しい米朝関係を築き朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を建設するという共通目標を打ち立てた。そして、米国は北朝鮮に安全の保証を約束し、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化を約束した。

2つの首脳合意は、核戦争の瀬戸際にあった北東アジアの国際情勢を一変させた。いま、私たちは南北と米朝の間に対話の継続を目撃している。これは、歴史的な変化である。北東アジアには、第2次世界大戦の終戦と冷戦の終結という大きな歴史の変化をくぐった今も、過去に作られた異常な関係が続いてきた。70年を超えて日本の植民地支配が公的に清算されず、65年を超えて朝鮮戦争が正式に終結していない。

この歴史を克服する千載一遇のチャンスが、今訪れている。私たちはこの機会を何とかして活かしたい。そのためには、長年の不信を克服しながら、2つの首脳合意が誠実に履行されるよう、忍耐強い関係国の外交努力が必要だ。

この努力の過程において、とりわけ日本、韓国、米国の市民社会の果たすべき役割が極めて大きいと私たちは考える。外交努力の進展を注意深く監視しつつ、民主主義国の政府に対して、このチャンスの重要性を訴え、過去の朝鮮半島非核化交渉に関する正しい理解とそこから得られる教訓を生かすことを求める必要がある。また、長い非正常な歴史の間で培われ、市民社会に根を張っている不信感や誤った認識を克服することは、議会や自治体やメディアを含む市民社会全体に課せられた課題だ。

NPO法人ピースデポでは、このような趣旨から、首脳合意履行の外交過程を追跡する、この監視活動プロジェクトを立ち上げた。日、韓、米のNGOの共同プロジェクトとすることも考えたが、この監視プロジェクトに関しては、それぞれの国の置かれている政治状況の違い、市民社会を取り巻く歴史的背景の違いを考慮すると、それぞれの国の市民社会が、自国の政府や市民社会に対して訴え、そのうえで相互に緊密に連絡を取り合う形がより効果的であると考えられる。とりわけ、被爆国日本においては、朝鮮半島の非核化の課題は、日本自身の真の非核化、そして日本を含めた北東アジア非核兵器地帯の設立という課題と切り離なすことができない。そこで、同様な取り組みを行う韓国、米国のNGOと情報交換しつつ、それぞれが独立の取り組みを行う方法を選んだ。

活動
1.監視レポートの刊行
日本語版が先行し、続いて韓国語訳、英語訳を発行。
不定期。3週間に1回程度。A4数ページ
ブログと同時にメール・マガジーンで発信
2.日本政府をはじめ関係国への要請
3.市民セミナーの開催
4.米国及び韓国のNGOと協力した国際ワークショップやシンポジウムの開催

チームと人員
 プロジェクト・チーム 森山拓也、平井夏苗、梅林宏道*、湯浅一郎、前川大、浅野美帆、荒井摂子、金マリア(韓)、パティ・ウィリス(カナダ) (*当初のチームリーダー)
 協力 韓国:参与連帯(PSPD)
       平和ネットワーク
    米国:ピース・アクション
       西部諸州法律財団
 助言 北東アジアの平和と安全保障に関するパネル(PSNA)(共同議長:マイケル・ハメル-グリーン(豪)、ピーター・ヘイズ(米)、文正仁(韓)、朝長万左男(日))

財政
 初期はピースデポの財政で賄う。
 国内外で助成金の獲得を目指す。

監視報告 No.36

  監視報告 No.36   2022年12月26日 § 米韓合同軍事演習の中止表明が緊張緩和への第一歩となる    朝鮮半島の緊張緩和が求められている。  米韓合同演習は在日米軍・自衛隊を巻き込んでエスカレートし、朝鮮人民民主主義共和国( DPRK 、北朝鮮)は核戦力政策法を制...